本を紹介するに当たって、一番最初に「これ!」と決めていた本。

おかべりかさんの「よい子への道」

落ち込んでしまった時、何かに助けてほしい時、私はこの本を手に取るのです。

有り難い言葉のならんだ素晴らしい教育書?

心を励ますような素敵なお話の本?

いえいえ、そんなんじゃなくて……。

あ、そんなこと言えば、おかべりかさんにおこられそう?

いやいや、この本を見ればわかるはず……おかべさんは、きっと許してくれるって笑。

この本の作者は(おかべりか)さん。

本の表紙をめくって最初に目につくのは、おかべさんの紹介。

調べてみると、おかべさんは漫画家さんでした。

どうりでこの自画像……笑

シュールだ。実にシュールすぎる。

でも、今回この紹介文を書こうと調べていると、おかべさんは一昨年(2017年)の7月に亡くなっていました。

残念です、いや、ほんとうに残念です……。

1950年に埼玉県で生まれたおかべさん。享年66才だったんですね、驚きました。

絵と文章だけ見たときは、もっと若い方と思っていました。

それくらい感性が若く、今の子ども達にも普通に受け入れられる内容です。

次に見出しをみてみると、これがまた面白い。

目次

・ よい子への道

・ これが真相だ!

《おまけまんがげきじょう》

・ ねぼう

・ はりといととぞうきんと

・ ぽん!

・ なす

おまけが本題よりも多い!

けれどわたしは、その「おまけ」にたびたび救われるんです。

どうです?

なんだか読みたくなってきませんか?

わけがわからない?

それでいいんです。それがいいんです。

そんな本なんです。

よい子への道

「よい子への道」は、○○してはいけないもの、というタイトルがずっと続き、そのしてはいけない内容がマンガと文章で描かれているんです。

こんないたずら、やっちゃいけないよ! というものなんですが、それができるわけないようなことばかり。

でも何だかやってみたい! なんて子どもなら思いそうなこと。

おとなだって、まずできないじゃん! なんて思っても、きっと心のどこかで大昔にやってみたかったこと。

それが延々と続くんです。

くすくすわはは! と笑えるんです。

わけがわからん?

これは、読んだ人にしかわかんないなぁ……笑(じゃあ書くなよって言われそう)

これが真相だ

これがまた、たった1つの事象に1ページずつ、さまざまな真相がぎっしり描かれている。

「この真相は、本当はきっとこうに違いない!」という、子どもこそが作り出せる世界。

人類以外の何者にも命があって、子どもの頃なら友達にだってなれる。

子どもの頃に想像したおとなの裏側、あぁ、そうそう、そう思ってた!

この世界を描けるおかべさんは、年を重ねた子どもだったのでしょうか。

おまけまんがげきじょう

そして、わたし一押しの《おまけまんがげきじょう》

笑えるんです。

くすくすと気付いたら笑ってるんです。そしてあったかいんです。

家族っていいな、失敗もいいな、友達っていいな、どっちでもいいや、これでOK、それでいいやん……そんな文字はひとつもないのにね。心がそう読み取るんですね。

こちらの精神状態によっては、泣けてくる、ジ〜ンとくる、元気になる、エネルギーがみなぎるーーーて、一体何役こなす本なんだ?

あぁ、ならび立ててしまいました。

それでもわけがわからん?

いいんです。

わたしが言えるのはたった一つ。

「読んで体験してみてね! 特におとな!!」

(福音館のまわしものかっ!)

よい子への道 (福音館の単行本)
おかべ りか
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