今年最後のhand to handのオンラインイベントを、12 月20日に行いました。
今回も、講師に長澤英之司法書士、五十川恵行政書士をお迎えし、参加者全員で、自分に何かあった時の「お守り」を作る作業をしました。
さて、そのお守りの効力とは?

「とりあえず遺言」がお守りって、どういうこと?

講師のお二方が体験された話しです。

あるご家庭のご主人が、突然30歳の若さで亡くなったんです。
お二人には子供さんがいなくて、財産を姑さんとお嫁さんが分けることになりました。
民法を知らない姑さんが、嫁と自分で半分ずつ分ければいいだろう?と言ってきたんです。
民法で言うと、実際は奥さんが3分の2、姑さんが3分の1なのです。もし、この
『とりあえず遺言』だけでも残されていたら、ここで残された家族の亀裂が入ることもなかったのに・・・と思います。

実は来週遺言書を作成するため、面談を予定していた方がいらっしゃいました。とてもお元気な方だったんです。
でも、まさに昨日!突然に亡くなってしまったんです。
だから、ついにお会いすることができませんでした。
こんなことってあるんです。驚きでした。
公正証書を作るにしても、手続きでどうしても少し時間もかかるんです。
もしものことを考えて、まずは
とりあえず遺言を書いておいていただけたらと思います。

つまり、誰しも明日はどうなっているか分からないということですね。
自分と自分の周りの人のお守りになり、多くのトラブルを回避できる!
それが「とりあえず遺言」です。

遺言には3つの種類がある

公正証書遺言
 口述したものを、公証人が筆記して作成してもらう遺言書のこと。

・自筆証書遺言
 自筆して作成する遺言書のこと。

・秘密証書遺言(公正証書)
 内容を誰にも知られたくない場合に作成する遺言書のこと。
 大変マイナーで、長澤さんも関わったのは一回だけとのこと。

遺言書には、以上の3つの種類があります。
「とりあえず遺言」は、自筆証書遺言になります。

たった数行でも法的効力を持つ「とりあえず遺言」
書き方を間違えてしまったら・・・

自筆証書遺言は自分で書かなければならない遺言です。
たった数行書くこの遺言書ですが、しっかりと法的効力を持っています。

でも、書き方を間違えてしまったら無効となってしまいます。
たった数行の中にも正しい書き方の決まりごとがあり、それを理解して書かなければなりません。

相続する相手が法的な相続人なのか、そうではない相手なのか、それで書き方が変わるというのは、重要なチェック項目です。
後の手間を減らすために書いておいた方がいい内容もあり、それも書き方を間違えてしまうと、無効になってしまいます。

とにかく正しい書き方をしなければ、せっかく書いてもお守りの効力はなくなてしまう、ということですね。

「とりあえず遺言」参加者みんなで作成しました!

今回、この「とりあえず遺言」を作成するという作業を参加者全員で行いました。

まずは家系図を書くところから。
法的相続人と、それ以外の理解からはじめましたが、家系図の例に、サザエさん一家の家系図が出てきたのは面白かったです。

しかもその家系図を見ながらの説明が、すごく解りやすくてスッと入ってきました。
これで、誰に対して書くのか、どんな書き方をするのかが明らかになりました。

それを理解できたら、ついには全員がA4用紙を広げ、しっかり説明を受けながら全員で遺言書を書きました。

ちなみにこの「とりあえず遺言」について、作成するにあたり専門家に関わってもらうなら、当然費用は発生します。
つまり、今回参加された方は無料で、有料コンテンツを伝授されたわけです。

ですから今回の報告では、「とりあえず遺言」の書き方について記述するのは控えさせていただきました。

正直、たった数行ですが、書き方の理解なしには絶対に書けません。
「とりあえず遺言」について知りたい方は、本を購入して学ぶか、専門家に相談することをお勧めします。

とりあえず遺言から一歩進んだ遺言について

全員で「とりあえず遺言」を仕上げた後、今度は遺言書が何もない場合、「とりあえず遺言」がある場合、しっかり「遺言書」が残された場合の違いについて解説をしていただきました。

そこで理解できたのは・・・

①まず「とりあえず遺言」を作成して、何かあった時のためのお守りにしておく。

②そして元気なうちに、さらに「遺言書」作成に移行し、エンディングノートと共に保管する。

そうすることで、周りの人たちが助かり、予想されるトラブルを避けることもでき、様々な手続きの手間や掛かる費用までも軽減できます。

参加された方の声

今回のワークショップで、法的にも効力を持つ、自分と家族を守るものを一つ作り上げたという実感を持たれた方が多かったです。

そして、この「とりあえず遺言」で自分の大事な人たちを守りながら、さらに進んだ「遺言書」を作成する必要性を、皆さん強く感じられたようです。

また、講師のお二人には皆さんからの質問にも全て答えていただき、参加者の方から「本当にこれ、無料で良かったの?」と聞かれたほどでした。

参加して良かった、お守りができて良かった、遺言書のことが正しく学べたなど、多くの声を聞くこともでき、講師の長澤さんと五十川さんには感謝申し上げると共に、これからも皆さんに役に立つ企画を、hand to handは続けていきたいと思っています。

さて、次回のhand to handは・・・

2021年1月24日
10:00~
オンラインカフェ
を企画中です。

詳細が決まり次第、またここでお知らせいたします。
お楽しみに!