息子は強度行動障害と言われ、その名前が市内では轟いていたようで、多くの施設や事業所に関わりを拒否され、現在の事業所にたどり着くまで長い時間を要した。
数秒目を離すとどこかに行ってしまい、保護された各区にある警察署を、あと少しで制覇する勢いの時もあった。
気になったものを壊してまで中身や構造を確認し、イラついては近くの大物から小物まで破壊した。
自傷により人の皮膚はここまで破けるのかと、そのバイオレンスっぷりに卒倒しそうになった。
これらの問題行動は猪突猛進で行い、止めるのは至難の技。
けれど、上には上がいるものだ。息子の問題行動を先回りして止められるスーパー支援員たちに、息子は幸運にも出会うことができたのだ。
その出会いが、振り返らずに突っ走る猪突猛進の息子を、走らずに「自分の意思」で「交渉」によって自分の思いを伝えようとするまでに成長させた。
息子の行動を大きく転換させた現在の事業所のスタッフの考え方は、多分他のどんな専門家にも思いつかないであろう技だと思う。
それは、息子に真正面から向き合って、どんな行動も受け止めてくれるスタッフ達の力量にもあると思う。
◆写真とホワイトボードを破壊し続けたわけ◆
息子が養護学校に入学した時から三年間、多分息子が在学中で一番好きだったであろう担任とのやりとりが、息子の学校に通う理由になっていたのだと思われる。
しかし転勤によって、大好きだった先生との別れを経験した頃から、学校でも視覚支援や見通しを立てるためのスケジュール導入のため、ティーチプログラムを導入するようになった。
先生達は家に訪問もしてくれて、いろいろ考えてくださった。
息子の過ごす部屋を構造化して、視覚からの支援を家庭でもできるようにと頑張ってくださった。
誰だって子供をダメにしたいなんて思っていない。今だって私は、先生方には感謝している。
ただ、息子は写真を見るとひどく怒って破り捨てた。しばらくして、ホワイトボードをやたら破壊するようになった。そして、そのあとは壁にも穴を開けるようになった。
なぜ?システムを入れてプログラムを遂行すれば、落ち着くのではないのか?
私のやり方が悪いの?なぜ??
それが重なった頃、私も流石に理解できるようになった。
視覚支援とティーチプログラムでスケジュールを入れられることを、息子は極度に嫌がった。
好きな時間に好きなことをしたかった。けれど伝え方がわからない。
視覚支援で好きなことを伝えられれば良いのだが、時間割は決まっているし指定された行動をこなしていかなければ終わりが見えない。
自分の動きの中で、なぜこんなものが挟まれているのか、息子は混乱したと思われる。
写真を破っても、すぐに復活して新しいものがスケジュールとして貼られている。
破っても破っても復活するスケジュール用の写真。
写真はホワイトボードに貼られていた。息子は気付いた。
それから、息子はどんな場所にあるものでも、ホワイトボードを親の仇のように破壊しまくった。
ホワイトボードさえなければ、写真は貼られないと思ったのだろう。
ただ、息子は先の見通しで落ち着くというタイプでもなく、激しくスケジュールを組んでしまわれることを嫌った。
ただ、あの大好きだった担任の先生の「ひろ〜、行くよ〜!」というやりとりが好きだったのだと思う。
激しく写真とホワイトボードを破壊し、時に泣き叫んでいたあの頃の息子自身、混乱を作らないはずのシステムで混乱していたのだと思う。
◆スタッフが考えた、既存しない驚きのツール◆
息子は何より人にこだわると言っていい。信頼できる人といることが一番大事なようだ。
ある事業所を利用した短期入所で、就寝の時は誰かと一緒でなければ寝ないし、人がいない不安から脱走や破壊が起こることを伝えていたが、引き継ぎがなかったのか、自閉症だと静かな部屋でクールダウンして過ごせると思われていたのか…。
ある日の宿泊で、就寝時に部屋に誰もいなかったらしく、1人残された息子は多分不安から部屋中を破壊しまくった。
人へのこだわりは、今の事業所のスタッフは承知しているのだと思う。
あるモニタリングの日、担当スタッフからこう提案された。
「これを、スタッフ全員で共有したいのですが…」
息子はよく絵を描く。紙に鉛筆で描く。そして床や地面に指で描く。
なんの絵かわからないこれらを、スタッフ達で息子に「これは〇〇?」と聞いて、息子がうなずいたり笑ったりするととりあえず採用、反応がなかったり違うような反応なら不採用で、こうして書きためてくれていた。
わ〜、面白い!と思ったが、この時はまだ、この奥深さが私には解っていなかった。
ただただスタッフと息子の、コミュニケーションのためのものだと思っていた。
けれど、これがすごい力を発揮するのはその後だった。
◆息子は自発的に交渉することを学んだ◆
伝えるすべを知らないから、勝手に家を飛び出して保護されていた。
欲しいものがあっても伝えられないから、勝手に取ったり壊したりしていた。
写真を使えなかった息子は、行動援護(移動支援)のスタッフにも恵まれたので、外出時に食べたいものを選んだり、カラオケの選曲に写真を使うことができるようにはなっていった。(これもすごいことだと思う)
けれど、相変わらずスケジュールには使えないし、ホワイトボードもこちらが気を緩めれば危うい状態。
いわゆる視覚支援やスケジュール、カレンダーも拒否の強かった息子。
しかし、快進撃はこの後からだった。
息子は絵を描くことで、事業所のスタッフ達とコミュニケーションをとり、その楽しさを知っていったようだ。
もともと人にこだわり、人が好きな息子は、この絵によって正解不正解を言い合うこと自体が楽しいようで、スタッフの答えが間違っていても怒ることもなく、ま、いっか!と受け入れているらしい。
また、正解の時は嬉しいようだ。実は、それは我が家でも起きた。
スタッフが携帯用に作って私に渡してくれた単語帳タイプのもの。
息子はこれをもらったことが嬉しかったようで、これを私のカバンにさっと入れてニッと笑った。
ずっと持っていて欲しいらしく、私も「分かったよ〜!」とOKサインを出す。
そして顔を見合わせて、ハハッと笑った。
ある時、息子がカバンからこれを取り出して、この絵を父親に示した。そして、右にある四角の中に細かい格子のある丸が描かれたところを指で押して見せた。
父親は何気なく「ピンポ〜ん!」と言ってみせると、息子の顔がパッと明るくなって、ウンウンと大きくうなずいた。
「あっ!なるほど!」
父親は、その四角い部分を「インターホンか!じゃぁ、左はドアとドアポストだ!!」
そう言うと「すごいなぁ、上手いなぁ!」と連発していた。
なるほど、確かに。そして上の丸いものはドアスコープ!
ドアの内側と外側が混在しているものの、息子は昔住んでいた団地のドアを覚えていたのだろう。
満面の笑みで満足そうな息子に、私たちはこの体験を息子にさせてくれているのだと気づいた。
例え伝わらなくても怒らない。人が好きな息子は、相手が分かろうと向き合ってくれることの安心感と、やりとりの楽しさを知ることができたのだろう。
◆息子は私たちにも自ら交渉してくるようになった◆
息子は写真を破ることがなくなった。嫌いだったスケジュールだけに写真が使われるわけではないから。
息子はホワイトボードも破壊しない。例えそこに写真を貼ってみても、今はそれは無意味なものだから。
急に外に飛び出してあっという間にいなくなり、保護されていた息子は、今は「外に行きたい」と言ってくるようになり、勝手に飛び出さなくなった。
パソコンの中の写真や関連アイテムを示して交渉してくるようになった。
「今は忙しいから、お昼ご飯の後に行こう」などと伝えると、しっかり待てるようになった。
ドライブも、知らない土地に行くことが好きな息子は、分岐点に差し掛かると「あっちに行きたい!」と指をさす。
父親が「こっちにしようよ!」と言うと「いやいや、あっちだ!」とさらに指をさす。
こういうやりとりが楽しいようだ。
欲しいものや、こだわりから捨てたいらしいものも「あっあっ!」と聞いてくるようになった。
「それはまだ大事だから捨てないで」と言うと我慢できるまでになった。
面白いことに、破壊したいものまで壊していいか?と聞いてきたりする。
この「交渉」が一つ挟まれたことで、随分と問題行動が減った。
何よりすごく悩まされていた、家からの飛び出しがほとんどなくなった。
そして、よく破壊していたドライヤーですら「壊していい?」と聞きにきて「壊さないで〜!」との答えが返ってくることは知っているはずなのに、それよりもやりとりを楽しむことの方が先になっている。
ところで、実はこれができるようになってから、息子はスケジュールを受け入れるようになった。
それは、自分で交渉ができて、変更可能だと知ったからだろう。
そしてカレンダーも見れるようになった。あんなに嫌がっていたのに。
人を勝手に動かすなと言わんばかりに、破壊して暴れて大泣きしていた息子が、いろんなものを柔軟に受け入れられるようになったのは、やはりこの絵のおかげであることも大きい。
それにしても、よくこのことに気づいて、しかも全員で共有することを考えたスタッフさん達には、本当に感謝しかない。
市内トップレベルの支援ができると言われている所以が、既存のツールに頼らない、しかも本人の自発を促し、利用者に寄り添ったツールを作れる、というところにもあるのだろう。
そして今日も息子は、自分と向き合ってくれる人達のいる場所へと向かう。
2020年8月21日 at 1:01 AM
人に向き合う奥深さ。伝わる喜び。お子さんの成長に感動しました。
私は、支援を見直そうと思います。ありがとうございます。
2020年8月21日 at 12:53 PM
鈴木さん、コメントありがとうございます。
息子がこの事業所に入れるか入れないかという時に、当時のリーダーが「ひろきくんは必ずうちで引き受ける。みんなひろきくんに関わろう。ひろきくんが、なんでも教えてくれる!」
と言って下さって、この事業所への通所が叶うようになりました。
その言葉を聞いたスタッフさん達から、あの時のリーダーの言葉は忘れていない……と教えて下さったことがあります。
本当に、感謝しかありません。
鈴木さんは支援をされるお方なんですね。
鈴木さんの周りの、鈴木さんを慕う方達のこと、ぜひお願いいたします。
2020年8月21日 at 5:15 PM
素晴らしいエピソード、ありがとうございます。勇気が出ました。
2020年8月21日 at 5:34 PM
川上さん。コメントありがとうございます。
嬉しいです。
少しでもみなさんの元に、このエピソードが届いて理解してもらえれば、今度は当事者である子供達とその親達が、勇気をもらえると思います。
読んでいただき、こちらこそありがとうございます。
2020年8月21日 at 8:26 AM
凄い体験てすね。
考えて行動する。そこには、寄り添う心がある。
ひとりでも多くの親子がこんな環境に居られるようになりますように。
2020年8月21日 at 12:45 PM
ななさん。コメントありがとうございます。
この事業所のスタッフさん達は、人を支援するのは人だ!と言い切っていて、まさに寄り添うということを忘れずにいてくれる、それだけで凄い人達です。
この人達とこの場所に居られる息子は幸せだと思います。
でも、そうではない人達もたくさんいる。
私もななさんと同じで、心から願います。
「ひとりでも多くの親子がこんな環境に居られるようになりますように」
2020年8月22日 at 11:23 AM
とかく効果があるいう視覚支援。でも、見たくなくても目にせざるを得ない、見てしまうとしなくてはならなくなってしまう、ご本人の願いより支援する側の意図が優先してしまう強い指示、ご本人の選択や交渉の余地がない指示に苦しんでおられたのでしょうね。お一人お一人への支援は違うことがあたりまえの前提であるべきと、改めて教えていただきました。ありがとうございました。
2020年8月22日 at 1:55 PM
あささん。コメントありがとうございます。
もちろん視覚支援で救われた人達もたくさんいると思います。
でも、息子はその反対側にいました。
確かに息子も視覚は強いけれど、それが自分の気持ちとはチグハグな使われ方だったのだと思います。
スタッフ達の「支援の仕方は、その人自身が教えてくれる」というスタンスが、今の支援を作っているのだと思います。
こちらこそ、あささんのような支援者がいて下さって嬉しいです。
目の前の人達のために、よろしくお願いいたします!
2020年8月22日 at 12:01 PM
自閉症支援者です。
同じような体験をしてきたのでとても共感しました。
本人の意思を確かめる、尊重する、その上でこちらの都合やお願いも分かりやすく丁寧に伝えるって、人間関係の基本だと思いますが、支援現場では忘れられてること多いですね。
他の支援者にもシェアさせてください。
2020年8月22日 at 2:32 PM
GTさん。コメントありがとうございます。
GTさんのような方達の支援がもっと知られて、向き合うことでご本人が変わっていくことを、みなさんに知っていただきたいです。
シェアもありがとうございます。
これからも、GTさんにつながることのできた人達のために、よろしくお願いいたします!
2020年8月22日 at 7:12 PM
すばらしいの一言です。私の子はプラダーウィリーで強度行動障害ではありませんが、少しでも気に入らないと投げる、蹴るの繰り返しでした。今の施設の方が私と本当に協力してくださって一つ一つ原因を探りながら対処して下さり、破壊行為がなくなってもう二年、まわりにいる方たちの理解と協力本当に大切ですね。
2020年8月22日 at 10:56 PM
森さん。コメントありがとうございます。
森さんも、我が家と同じような経験と出会いがあられたんですね。
本当に、周りにいる方達の理解と協力は、何より子供達を助けてくれるし、親にも勇気をくれます。
人との出会いこそ大切だと、改めて認識することができました。
ありがとうございます!
2020年8月22日 at 8:52 PM
重度自閉症+知的障害と診断されている息子の母です。
感動しました!
息子さんのこと、本当に嬉しい!
視覚支援がわかりやすいと言われていますが、本当にひとそれぞれであることを改めて学びました。スケジュールやカレンダーが、頭に残りすぎて嫌がる人もいる、と聞いたことがあります。息子はカレンダーに自分の行動スケジュールが書かれてあることに落ち着いているタイプです。
息子は中学校から地域の学校の普通学級に所属。今年、普通高校定時制に入学が叶いました。担任の先生が、言葉はなくとも周りの子と同じ感覚を持っている…と知ってから、普通に扱ってくれた先生、友達。息子はどんどん機嫌が良くなり、イキイキとし始め、中3には友達がわんさか遊びに来るまでになりました。
どんなに障害が重くても、必要な支援を周りにいるみんなで考えながら、人権を意識し、普通に扱っていくことの大切さを学んでいる最中です。
2020年8月22日 at 11:11 PM
平田さん。コメントありがとうございます。
理解してくれる先生との出会いと、友達との交流が、息子さんをどんどん成長に導いてくれたんですね。
どんなに障害が重くてもイキイキと過ごすことはできているのは、周りの誰とも同じ自然な接し方にあるのでしょう。
本当に素晴らしい。私も嬉しくなりました。
視覚支援がしっくりくる子、それが嫌な子、いろんなタイプがいますが、押し付けずにその子に合った支援と周りの理解があれば、誰とも変わらない暮らしができるのだと確認できました。
素晴らしいお話をありがとうございました。
2020年8月22日 at 9:13 PM
息子さんがニコッとするのを思い浮かべて
私も嬉しい気持ちになりました☺️
寄り添ってもらえる。自分は大切にしてもらえてると分かること。
これが一番の支援だと思っています。
素敵なエピソードありがとうございました。
2020年8月23日 at 1:13 AM
akemiさん。コメントありがとうございます。息子の笑顔、本当に好きなんです。
人との関わりの中で得られる安心感は、障害や困難さをも乗り越えていける、大きな力になるのかもしれません。
akemiさんも、寄り添った気持ちで読んで下さってありがとうございます。嬉しいです。
2020年8月22日 at 9:20 PM
障害のある子どもたちが通ってくる放課後等デイサービスで支援者をしています。
世の中には「○○プログラム」のようなものが雑多にあふれていて、何かの技法に特化したやり方が、高い専門性であるかのような錯覚が、支援者や親御さんのあいだでも、あちこちで起きているような気がしてなりません。
まず人と人として出会い、付き合い、気持ちを交わし合おうと試行錯誤すること。人どうしが共に生きていくとは、そんな日々の積み重ねと継続でしかない。目の前にいる人がどんな背景や課題を抱えているとしても、その人間関係の基本を決して忘れずに常に立ち戻ることができるのが、本当の専門性なのだと考えさせられます。
手作りの絵と言葉の一覧表には、既存のどんな支援ツールにもない、ひろきさんと事業所スタッフの方々が紡いだ日常の尊さを感じました。
私もまた次の勤務日から、子どもたちとのやりとり自体を楽しみながら、日々の仕事にあたりたいと思います。
ありがとうございます。
2020年8月23日 at 1:36 AM
なべさん。コメントありがとうございます。
様々なプログラムについて、その手法の意味を知っていることは、支援をするときにブレずに済むという効力があると思います。
ただ、その意味に振り回されて「〜であらねばならない」という、思い込みの落とし穴に気をつけなければならないとも思うのです。
専門知識は持っていたほうが絶対にいいのだけれど、それは目の前の子供達と向き合うための、支援の方法や選択肢を考え出すためにあるのだとも思います。
まさに、なべさんがおっしゃる「人間関係」と「お互いが紡いだ日常」があって、プログラムはその先に、その子のために、その子に合った形のものでないといけないとも思います。
なべさんもそうやって、子供達と向き合い、日々を紡いでいかれているのですね。
なべさんのような支援者がたくさんいてくださることを今回知って、本当に嬉しかったです。
子供達のために頑張ってください。ありがとうございました。
2020年8月28日 at 9:02 AM
二次障害を防ぎましょうという話はあっても
それが生じた際の話はほとんどきかないですよね
以前うけもった子は高い記憶力ゆえのフラッシュバックによる強度行動障害が生じていました
そこでマイナス記憶をひとつひとつプラス記憶にすりかえていく過程でおだやかさをとりもどせました
ひとりひとりの特性や行動の背景にしっかり寄り添うことがいかに大切か教えられたケースでした
息子さんもいい出会いに恵まれましたね
よいお話をありがとうございました
2020年8月29日 at 12:18 AM
コッチさん。コメント有難うございます。
このサイトでも二次障害について書いたことがありますが、確かに二次障害が出現してからのことは、学問的なことは語られていても、現場サイドのことはなかなか伝わっては来ませんね。
けれど、コッチさんは現場でそうやって地道に向き合って、目の前の方の辛さを取り去る作業をされたんですね。
それも素晴らしい支援だと思います。
やはり、どんなに素晴らしい支援も、人との出会いがなければ結局ないことと同じですものね。
こちらこそ、良いお話を有難うございました。
2020年11月11日 at 2:14 PM
教えて下さい、いつ頃から強度行動障害の症状が出てきたのですか?
私は息子の強度行動障害で、もう何年も悩んでます。
息子は支援学校の高2です。
8月の療育手帳の更新で知的障害が最重度になりました自閉も強く中学部2年生から3回も入退院を繰り返しています。
この「てとて」のサイトをたまたま見つけてhisakoさんの大変さや息子さんの成長を微笑ましく載せていらっしゃるのに感動して私もhisakoさんみたいに息子の成長を微笑ましく喜べる日がくるのだろうかと思いコメントしてしまいました。
2020年11月13日 at 12:36 PM
のぶさん
コメント有難うございます。
息子は小学部入学の頃から、問題行動の強い子でした。
それがこの地域に名前を轟かせ始めたのが、小学部も中学年頃だと思います。
今や、地域の福祉関係者の間で、息子の名前を知らない人はいないくらいの有名人です。
私ものぶさんの気持ち、わかります。
ちゃんと向き合っているからこそ、悩みは尽きないです。
多分、私が今こうして書けるようになったのは、時に周りから怒られたり、罵倒されたり、拒絶されたりの経験の中にも、息子の周りを囲ってくれたスーパー支援員達や、支えて励ましてくれる人たちがいたこと、そして、自分の子供のやらかしを、笑って話せる仲間がいたことではないかと思います。
人とのつながりが、今こうして息子と私たち家族を生かしてくれています。
これは、どんな薬より、療育より、大事なことだったと思っています。
現に、息子の一番のこだわりは「信頼できる人」です。
のぶさんもきっと、そんな日が来ます。
綺麗事のようですが、それでも強度行動障害の親達の本心からは「それでもなぜかこの子が大事で、この子が可愛い」という言葉を聞くからです。
またコメントくださいね。
メールの方にもお返事させて頂きますね(^^)
有難うございました♪
2020年11月13日 at 7:33 PM
涙がとまりませんでした。hisakoさんの「それでもなぜかこの子が大事で、この子が可愛い」。
まさに今の私達家族が思っている事です。
どんなに周りから言われようと、どんなにこの子を排除しようとする人達がいようと「それでもなぜか…」。
なのです。
私達、家族はいっぱい闘ってきました、そして、いっぱい泣いてきました。この子さえいなければ…ともいっぱいいっぱい思いました。
だけどなぜかこの子が可愛くてしょうがないんです。
この「てとて」のサイトにたどり着いて本当に良かったです。
「信頼できる人」私も息子のため私達家族のためにつくっていきますね。
これからもずっとhisakoさんのサイト読ませていただきます。
2020年11月14日 at 4:47 PM
のぶさん
こちらの方こそ、このサイトを見つけてくださって有難うございました。
本当に大変で辛い思いをたくさんしたはずなのに、可愛いいと思うのは、なぜか矛盾ではないんですよね。
それに、可愛いの理由もわからないんです。
不思議ですね。
私も、息子と向き合い、息子を囲んで笑ってくれる人たちを、さらに増やしていきたいと思います。
のぶさんのコメントに、私も頑張らなくちゃと勇気をいただきました。
有難うございます!
2020年11月14日 at 8:59 PM
このサイトに、たどり着いた事に、感謝しています。自閉症30歳息子と、あまりにも、重なり共感しています。強度行動障がい、引きこもり、二次障がい、自殺未遂、入退院の繰り返し、行方不明、不審者と思われ通報…
この10年余り…。やっと、自閉症の特性を、周りが、理解して、
日中は生活介護、グループホーム、何より、理解して下さる支援員さんに、恵まれました。
安全安心な居場所と、関わる人、環境調整で、表情も穏やかになっています。
私も、何度も、息子と一緒に死のうと思ってしまった事もらありましたが、
今は、いくつになっても可愛いです。
私に、日々、身を持って教えてくれています。
hisakoさんこのサイトに出逢わせて頂きありがとうございます。
2020年11月15日 at 1:01 AM
小林みっちゃんさん。
コメントありがとうございます。
このサイトに来てくださって嬉しいです。
そして、親子で生きて、こうしてそのことをお話くださってありがとうございます。
私も、小林さん達のような共感してくださる方々に出会えて、自分だけではないと強く励まされる思いでいます。
こうしてお話を伺うと、やはり我が家もそうだったように、人との出会いが大きな鍵になるんだと思います。
出会って向き合うことで、子供達も、家族も、そして支援者も、言葉にはできない温かい感情や、見えないのに感じることができる絆を体験できるはずなんです。
それがきっと、子供達の頑張り、親の生き甲斐、支援者のやり甲斐に繋がるのだと思います。
けれど、ずっとそこまで繋がれない人達もたくさんいます。
だから、子供達のことを理解してもらうために、伝え続けなければならないと思っています。
息子と対峙しながらの執筆で、なかなか記事数は増えませんが、これからも記事を書いていこうと思います。
背中を押されたようで、本当に嬉しいです。
ありがとうございました!
2020年11月15日 at 8:08 PM
小林みっちゃんさんのお話しとhisakoさんのお話しで私もまた更にファイトが出てきました。
「人との出会い」
今までの出会いとこれからの出会いを大切にしていきたいと思います。
そして何より、この障害を周りの人達に知ってもらうという目標ができました。
ありがとうございました。
2020年11月16日 at 8:00 PM
のぶさん。
私の方こそ、勇気をいただきました。
この障害のことを知ってもらうために、私も頑張ります!
出会いを大切にしていれば、その中に見てくれている人、応援してくれる人、伴走しようとしてくれる人が現れると思います。
嬉しいコメントを、ありがとうございました!
2024年7月15日 at 6:34 PM
初めてコメントさせていただきます。
私は強度行動障害、重度知的、自閉症をもつ弟がおります。
この記事を読んで「本当にその通りだよな」と思うところがたくさんありました。
「自閉症の子には◯◯の方法がいい、効果的」と言われるだけで、全員に当てはまるかというと違うんですよね。事業所に行くと、一人一人にあった支援をというのは難しいというのも嫌というほど味わってきました。
それで結局、スタッフの手に負えないから「出て行ってくれ」と言われます。追い出されたらまた次を探す?これまで何ヶ所たらい回しにされたことか。たらい回しにされて弟が1番傷ついてるんですよね。だから家族は弟にあう支援、弟が信頼できる支援者を必死になって探してるんです。
特別扱いをしてほしいんじゃないです。ただ、この子にあう支援がほしいだけなんです。でもSOS出すところ出すところで「なんでここじゃだめなんだ?」みたいな顔されます。こっちは弟のことを思って必死で探しているのに、周りからは「家族がわがままだ」みたいに受け取られてしまうんですよね。
早く弟が信頼できる支援者に出会いたいです。今は家族が弟のために動けますが、5年後10年後を考えると弟はいずれ1人で生活して行かなければなりません。両親がいつまでも元気な訳じゃないですから。
私たち家族って、本人の将来のことを見据えてみなさん動いているんですよね。だから必死になるんです。
この記事を読んで私も背中を押されました。ありがとうございました。まとまらない文章ですみません。
2024年7月16日 at 9:50 PM
初めてコメントさせていただきます。
私は強度行動障害、重度知的、自閉症をもつ弟がおります。
この記事を読んで「本当にその通りだよな」と思うところがたくさんありました。
「自閉症の子には◯◯の方法がいい、効果的」と言われるだけで、全員に当てはまるかというと違うんですよね。事業所に行くと、一人一人にあった支援をというのは難しいというのも嫌というほど味わってきました。それで結局、スタッフの手に負えないから「出て行ってくれ」と言われます。追い出されたらまた次を探す?これまで何ヶ所たらい回しにされたことか。たらい回しにされて弟が1番傷ついてるんですよね。だから家族は弟にあう支援、弟が信頼できる支援者を必死になって探してるんです。
特別扱いをしてほしいんじゃないです。ただ、この子にあう支援がほしいだけなんです。でもSOS出すところ出すところで「なんでここじゃだめなんだ?」みたいな顔されます。こっちは弟のことを思って必死で探しているのに、周りは「家族がわがままだ」みたいに受け取られてしまうんですよね。
早く弟が信頼できる支援者に出会いたいです。今は家族が弟のために動けますが、5年後10年後を考えると弟はいずれ1人で生活して行かなければなりません。両親がいつまでも元気な訳じゃないですから。
私たち家族って、本人の将来のことを見据えてみなさん動いているんですよね。だから必死になるんです。
本人が信頼できる支援者に出会いたいです。
2024年7月28日 at 5:52 PM
コメントありがとうございます。
返信が大変遅れてしまい、申し訳ありません。
弟が1番傷ついているという言葉は、お姉さんとして向き合ってこられたからこその言葉だと理解できます。
家族だけでは全てを抱えきれないということを、なかなか周りからは理解されません。
どうすれば「助けて」の声が届き、どうすれば支援の手で囲まれた安心できる環境が手に入るのか。
支援はツールありきではなく、本人と向き合って初めてツールが必要になる、ということに気づいていない人も多い。
少しずつですが、近年その声に耳を傾けようとする人たちが増えてきて、当事者の声を聞く研修会も開かれるようになりました。
私も直近では、福祉、行政、教育の関係者、先日は大学の学生に、これらのことをお伝えしました。
叩いてくる人もいますが、微力であろうと伝え続けることで、聞いてくれた人に何かを残したい。
我が家もですが、弟さんとご家族のような、そして同じ思いをされている全ての方達に対し、向き合い、わがままではないという基本的なことにも気づくことのできる支援者が、増えて行くことを願います。
2024年7月31日 at 2:38 PM
壁など、ものを破壊するのは、
それが、阻害するものだからです。
もし、隙間のある丈で作られたような壁なら、少なくとも、ましになったでしょう。
言葉は、彼らには、高等すぎます。負荷が高いのです。絵は、負荷が、比較的、低いわけです。
2024年8月1日 at 5:33 PM
先達様
コメントありがとうございます。
壁についても破壊対象とならないように、利用者の問題行動を分析し、さまざまな工夫を施して新設したりリフォームもされますが、それでも破壊をされる時はされます。
阻害されるのであれば、本人にとって何が阻害となるのか、形状なのか、それとももっと他のことなのか、その読み取りが重要なのだろうと思います。
言葉でのコミュニケーションは確かに難しいものですが、彼らが全く理解していないのかというとそんなことはありません。
人によっては、知的に重くても驚くほどの理解力を持つ方もいます。
むしろそのことで、インプットとアウトプットの歪みが生まれ、彼らの困りごとに繋がることは大きいと想像します。
その意味からも、絵を使うことは本人にとって負荷が低い、ということはその通りだと思います。
2024年8月6日 at 12:52 PM
言葉足らずでした。
彼らには、すべてが、うざったく見えるのです。コンクリートは、固すぎます。敵対してるよう感じます。ドアは、閉じ込められた気持ちになります。
常に、ストレスを抱えている状態なのです。過敏になっています。
彼らには、紛らす装置、が必要と考えます。それは、赤ちゃんをあやす、背中をポンポンと継続して叩く、それです。よくある、腹筋を鍛えるために、腰に巻く電動腹筋マシーンも、効果がありそうです。
また、過敏な神経を、塞ぐものも1つです。防護服のようなものを、着せるのも、一考です。ボクシングの、ヘッドギアなんかも、良い例です。耳栓をするのも、いいでしょう。